詩歌 verse

子よ興(お)きて夜を視(み)よ。明星、爛たる有り。君よ起きて夜空を見てください。明星が輝いている頃でしょう。中国最古の詩集『詩経』鄭風より。鄭の国の民謡の一節で、素朴な夫婦のやり取りを感じさせます。夜明けの夜空をイメージして、青墨でグラデーションを付けました。流星のように白抜きの技法を使っています。マットには京都産の藍染。二十回以上染めたという、深い藍です。
旅人は征棹(せいかん)に倚(よ)り、薄暮長歌起こる。笑攬す、清谿の月。清輝多きを厭はず。旅人が舟の棹にもたれかかると夕暮れに長吟する声が聞こえてきます。笑いながら清谿の月を眺めましょう。清い光はいくらあってもよいものです。張旭(字は伯高)の「清谿に汎ぶ舟」詩。張旭は剣舞を見て草書の筆法を悟ったといいます。独特の崩し方は狂草と言われました。背景に月をぼかし染めで浮かべ、草書体の周りを白抜きにして文字を浮かび上がらせました。むらのある藍染の布をマットに使いました。
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