詩歌 verse

薔薇風細一簾香薔薇は風細きも一簾香し(かんばし)わずかな風でも、簾に届く香りが感じられる詩。宋の李清照の宋詞より。
2019年10月の天満橋14th moonで開催された「幸福を呼ぶ蝙蝠」展に出品した作品です。蝙蝠を詠んだ詩歌を集めました。かはほりの飛び交ふ軒は暮れ初めて なほ暮れやらぬ夕顔の花  加藤千蔭日暮るれば軒に飛び交ふかはほりの扇の風もすずしかりけり  藤原家良黒洞深蔵避網羅遠害全身誠得計マットには新素材、ブルーのピーチスキン。
白華如散雪  朱實似懸金白華は散雪の如く、朱実は懸金に似たり。隋の李孝貞(字は元操)の「園中雑詠橘樹」より。マットには結城紬を使いました。二重アクリルで扇面を挟み、作品を浮かせて立体感を演出しています。
うたたねの歌を集めました。夢の内もうつろふ花に風吹きて しづ心なき春のうたたねふた声と鳴きつときかはほととぎす ころもかたしきうたたねはせんうたたねの朝けの袖に変はるなり 馴らす扇の秋の初風うたたねの夢や現に通ふらむ 覚めても同じ時雨をぞ聞く50年前の白大島紬をマットに使い、小原和紙さんの雲紙に書いた作品を二重アクリルで挟み、浮かせています。
「眺む」は古語では「物思いにふける」の意味。式子内親王の歌にはこの「ながむ」という言葉がよくつかわれています。待ち出でていかにながめむ忘るなと いひしばかりの有明の月ながむれば木の間うつろふ夕月夜 ややけしきだつ秋の空かなながむればわがこころさへ果てもなく 行方も知らぬ月の影かなそれながらむかしにもあらぬ月影に いとどながめをしづのをだまきマットに使った、竹の繊維を含んだ布が涼しげです。紙の色を背景に調和させ透かせています。
式子内親王の歌から、夢を詠んだ歌を集めました。夢の内もうつろふ花に風吹きて しづ心なき春のうたたねはかなしや枕定めぬうたたねに ほのかに迷ふ夢の通ひ路たのむかなまだ見ぬ人を思ひ寝の ほのかになるる宵々の夢見しことも見ぬ行く末もかりそめの 枕に浮かぶまぼろしのうち三首めは少女のような可憐さがありますが、四首めには人生への諦観を感じさせるものがあります。マットには新素材ピーチスキン。二重アクリルで作品を挟み、浮かせています。紙はティッシュペーパー1/6の薄さの典具帖紙。ぼかし染めの紙がマットのベージュ色で、よりあざやかに浮かび上がりました。
香りにまつわる歌を、式子内親王の歌から集めました。梅が枝の花をばよそにあくがれて 風こそかをれ春の夕闇花はいさ そこはかとなく見渡せば 霞ぞかをる春のあけぼの誰となく空に昔ぞ偲ばるる 花橘に風すぐる夜はすずしやと風の便りをたづぬれば 茂みになびく野辺の小百合葉マットには新素材のピーチスキン。二重アクリルに、ティッシュペーパー1/6の薄さの典具帖紙に書いた作品を挟んで、発色の良いピーチスキンを透かせています。
橘の香りは昔を思い出すよすがとなったといわれています。皐月待つ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする  古今集 詠み人知らず橘の香をなつかしみ時鳥 花散る里を訪ねてぞ訪ふ 『源氏物語』「花散里」よりいにしへを花橘にまかすれば軒の忍に風通ふなり  新古今 式子内親王今年より花咲き初むる橘の いかで昔の香ににほふらむ  新古今 藤原家隆マットには、見る角度によって色が変わって見えるシルクを使っています。二重アクリルで作品を挟み、作品が浮いて見えます。紙は、雲紙。
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