2021 樹香

知らず名樹百千林。歩歩の風は香して深し。是(これ)何の香りぞ、と猜(さい)するも覓(もと)むる處(ところ)無し。落紅流水、西岑(せいしん)を下る。

名樹百千もある林とは知りませんでした。歩くと風は数里に渡って深く香ります。この香は何かと思っても知る術がありません。紅い花びらが西の峰から流れてきます。

閻爾梅(字は用卿)の「香山花径」詩。

尋芳載酒   芳を尋ね、酒を載す。  よい香りの花を探し、見つけたら酒を持っていこう。

楊汝諧の印文より。

大分県九重市産の紅花紙に書いています。