常盤なる松の緑も春くれば 今ひとしほの色まさりけり

古今集 源 宗千(むねゆき)

常盤木(ときわぎ)の松ですが、春の訪れとともに、一段と緑を鮮やかにします。

不変、長寿の象徴、松は、冬の景色を詠んだ歌が多いのですが、この歌は新春のとてもおめでたい風情があります。

源宗千は百人一首「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれんと思へば」が有名。紀貫之や伊勢との贈答歌が残ります。