一字書 one character calligraghy

「翰」の羽の部分は韻文の時代には「飛」に象りました。「翰」は元々は錦鶏(アカキジ)。その羽根で筆を作ったところから筆や文章の意味を持つようになります。動詞として「高く舞い上がる」という意味を表します。
「鹿」の象形文字を金泥、銀泥、を盛り上げて書きました。「鹿」は「ろく」と読み、「禄」と音が通じるところから、「(禄=)幸い」の意味で用いられました。
闌 たけなわ らん宴の真っ盛りの意味。また門の中に閉じ込める形を表し、閉じ込める、尽きる、終わる、の意味を持ちます。
酣 たけなわ かんたけなわ、酒盛りの真っ最中、真っ盛り。また、酒を味わい、楽しむ、の意味。「甘」には味わうの意味があります。
饗 きょう饗応、もてなすこと。「あえ」という読みには村人が集まり飲食することを意味します。また、神へのお供え物の意味を持ちます。
馥  ふく香気の盛んなさま。感化、名声の広がるたとえ。紅花墨の濃墨で書きました。網代網のマットは溜塗です。
熟   じゅく熟成。物事が十分な状態になること。詳しい。黒塗の網代網のマットを使った額。
灝   こう 広い、大きい、また、清らか、の意味。「灝気」は広大な気。また天上の清らかな気の意味。
颺   よう    吹き上がる、飛び立つ。容貌が優れる。舟が緩やかに進む。といった意味をもちます。銀泥と墨を混ぜ、盛り上がるほどに濃く、厚く重ねました。乾いてから紅花墨で染め、闇の豊饒の中で吹き上がり、浮き立つイメージにしました。マットには黒塗りの網代網を使用。重厚感があります。 
翅   し      つばさ、はね、の意。篆書体の「羽」と「支」からイメージしています。銀泥と墨を混ぜ、盛り上がるほどに濃く、厚く重ねました。乾いてから紅花墨で染め、闇の豊饒の中で風に向かい、なびく姿を表現しました。マットには黒塗りの網代網を使用。重厚感があります。 
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